精密工学会誌
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超精密位置制御に関する研究 (第2報)
粗・微動間の干渉の軽減
佐久 田茂足立 幹雄小川 潔上田 勝宣
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1996 年 62 巻 6 号 p. 825-829

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抄録

前報で提案した尺取虫方式による粗・微動連動での課題であった粗微動間の干渉を軽減する連動制御方法を開発した.
(1) PTP制御においては, 粗動・微動の連動時に微動を一時収縮させることが干渉の軽減に有効であった.開発した制御方法を用いて, 粗微動間の干渉が5nm以下の尺取虫方式粗微動連動によるPTP制御を実現した.
(2) CP制御においては, 粗動の速度を連続的にすることによって微動への影響 (急激な加減速) を抑えた粗動位置指令が干渉の軽減に有効であった.開発した制御方法を用いて, 粗微動間の干渉が10nm以下の尺取虫方式粗・微動連動によるCP制御の見通しを得た.
今後は, 任意の微動位置決め軌跡に対して粗動位置指令が自動的に生成される制御方法の開発, 微動の微振動対策を含めた微動位置制御の高精度化・高分解能化および高速化を行う.

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