精密工学会誌
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砥粒摩耗のインプロセス測定 (第3報)
湿式条件下で取り込まれた画像の評価
後藤 英一峠 睦大渕 慶史
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1996 年 62 巻 9 号 p. 1320-1324

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抄録

前報で報告した装置を用いて, 湿式条件下で切れ刃摩耗平面の2値画像を取り込み, その画像を調べた.また, 測定スポットの大きさと測定誤差, 測定精度, および2値化のためのしきい値との関係について検討した。その結果, 以下のことがわかった.
(1) 湿式時と乾式時の画像の差は, 調べた範囲では摩耗平面外周部でみられ, 1~2画素の幅であった.
(2) 湿式時の画像は乾式時に比べ安定度が若干劣り, 外周画素部にその半数程度のふれが加わるが, これは注液やエア噴射による外乱に起因すると考えられる.
(3) 調べた範囲では, 乾式時の画像の面積を基準にとった場合, 湿式時の画像の面積にはおよそ±16%のばらっきがみられた.
(4) 測定スポットを小さくすることによって, 面積の測定誤差を小さくできると考えられ, また, それとともに走査の分解能を上げ, 応答がより高速な受光素子を用いることにより測定精度の向上が期待できる。
(5) 測定スポットを小さくする, またはレーザ光の出力を大きくすることによって, 各条件に対してVt記を求める煩雑さは軽減されると考えられる.
(6) 測定装置の完成度を追求する場合には (4), (5) に述べた対策が必要だと考えられる.

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