本稿では, 進化型計算 (EC) について, 遺伝アルゴリズム (GA), 進化戦略 (ES) および進化プログラミング (EP) を中心にそのアルゴリズムを紹介するとともに, GAを最適化問題に適用する場合の標準的方法論, ならびにECによる最適値探索の可能性を整理・解説した.本稿の内容からもわかるように, 現実的な問題に対してECを適用する場合には, アルゴリズムを具体化する前段階として問題の構造・性質を十分に把握することが肝要である.言い換えると, ECを構成するための体系化された標準かつ万能な方法論が確立されていて, だれでもいつでもそれを機械的に適用すれぼ問題が解けるわけではない.この意味でも, 本稿がECを現実問題に応用する際の一助になれぼ幸いである.