精密工学会誌
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ライフサイクルアセスメント (LCA) 環境影響評価手法
松野 泰也
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1998 年 64 巻 4 号 p. 526-529

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抄録

本報では, LCAにおける環境影響評価手法について解説まると共に今後取り組むべき課題について述べてきた.LCAは, 製品およびサービスに関連まるプロセスによりもたらされる環境負荷を評価まる手法であるが, 環境影響を評価まるにあたり排出地域, 時間を考慮まる必要性が指摘されてきている.それは, LCAにリスクアセスメント手法を導入まるものであり, 現在SETACなどにおいてもその必要性が取り上げられている.排出地域を考慮し影響評価を行う場合, 同じ排出重量であっても, 地域により影響ポテンシャルが異なる場合が出てくるので, 環境負荷を低減まるにあたり, どの地域にプロセスを設置まるかを考慮まる必要が出てくる.一方で, LCAにおける環境影響評価では厳密な影響ポテンシャルを評価まることは困難であるため, 排出物質重量から相対的な影響ポテンシャルを見積もる程度にとどめるべきとの主張もある.LCAにおける環境影響評価は, 最の終的にはLCA実践老が環境への影響をどこまで厳密に評価すべきか, 目的に応じて適宜採択していくものに収まるのではないかと考えられる.

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