2022 年 21 巻 1 号 p. 3-10
本稿では,集団認知行動療法プログラムが中学生の友人に対する感情に及ぼす効果について検討がなされた。中学2年生の2学級(計47名)を対象とし,待機リストコントロールデザインが採用された。生徒は,プログラム実施前,先行群への介入後,待機群への介入後の計3回,中学生用社会的スキルと友人に対する感情を測定する尺度への回答が求められた。プログラムは,「意見の伝え方」と「断り方」をターゲットスキルとした社会的スキルトレーニングと認知再構成法を軸とした心理教育から構成された。そして,介入の結果,両群とも介入直後に社会的スキルの獲得と友人に対する感情に改善が確認された。