2023 年 22 巻 1 号 p. 19-27
本研究では,身近な他者へ援助要請を行う際のセルフスティグマ尺度の作成を目的とした。大学生300名を対象とした調査を実施した。分析の結果,セルフスティグマ尺度は一因子構造を持つことが示された。また,セルフスティグマ尺度は援助要請意図や被援助志向性と負の相関を示した。また,セルフスティグマと身近な他者への援助要請意図との相関は,専門家への援助要請意図との相関よりも高かった。また,家族と友人への援助要請意図,被援助志向性,および援助要請実行における利益の予期は,いずれも「自己評価の低下」よりもセルフスティグマとの間に有意に強い相関を示した。最後に,セルフスティグマの得点は女性よりも男性の方が高かった。以上から本尺度は一定の妥当性を有するものと判断された。