抄録
近年NSTを導入する施設は急増しているが、NST運営上の様々な問題に直面している施設も多いようである。またNSTが実際に稼動し個々の症例で改善を得られるようになったとしても、当初期待された平均在院日数、病院収益などへの効果はすぐ得られるものではない。これらの効果を得るためには地道なNST活動を行うと共に、栄養療法に対する職員の意識の変革が必要である。そしてこれらのNST活動のアウトカムを解析し院内外へ提示することはNSTの質の保証にも繋がると考えられる。当院では個別症例に対するNSTアプローチと同時に、栄養療法に対する職員への啓発活動に力を入れてきた。栄養療法の啓発と実践のサポートのために5つのサブチームを編成し、各種委員会とも連携を図り組織横断的に活動を展開している。平成16年4月より稼動した当院におけるNSTの啓発活動の実際とその成果につき報告する。