静脈経腸栄養
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臨床経験
市販の経腸栄養剤への粘度調整の試み
村林 由紀清水 敦哉佐久間 隆幸森 純子堀川 陽雅中川 小代子橋本 章
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2006 年 21 巻 1 号 p. 1_85-1_89

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抄録

PEGはその簡便性により全国に普及し、症例数は急速に増加しつつある。PEGから投与される経腸栄養剤は一般に液体であり、時に胃食道逆流症や下痢などの合併症が問題となることがある。そこで、半固形食品や固形化栄養剤の研究が進められている。今回我々は、固形化の手間や器具の調達等の問題点を考慮し、増粘剤で経腸栄養剤に粘度をつけることを試みた。方法は市販の経腸栄養剤に増粘剤を2%加え、攪拌機にて2分間攪拌した。この調整により約3,000mPa・sの粘度が得られ、胃食道逆流や下痢を認めた症例に有効であった。本法は病棟や在宅でも安全かつ簡便に施行可能であり、さらに他の半固形食品や固形化の方法よりコストも削減できた。この粘度調整栄養剤は、合併症対策として、下痢の改善、胃食道逆流症の減少に期待ができると思われた。

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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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