2006 年 21 巻 2 号 p. 2_11-2_17
栄養サポートチーム(Nutrition Support Team;以下、NST)は、栄養障害を有する症例あるいは栄養障害を生じうる症例を的確に拾い上げ、最良と判断しうる栄養学的な介入を行うことをその役割のひとつとしている。特定機能病院等を対象に始まったDPC(Diagnosis Procedure Combination)による包括評価制度では在院期間の短縮が宿命化され、こうした背景のもと病院運営におけるNSTの貢献度は高いものでなくてはならない。一方、術前に栄養不良を呈する消化器癌患者に手術侵襲が加わると、予期せぬ術後合併症を経験する。とくに、進行癌症例では術後合併症は術後成績を左右しうる条件のひとつであり、術後合併症発生率を低下させるための栄養サポートの意義は大きい。