抄録
ゼリー用食品“イージーゲル®”について各種経腸栄養剤(医薬品)及び流動食(食品)に対する固形化特性を調べ、PEGなどを介した固形化栄養療法におけるイージーゲルの有用性を評価した。その結果、イージーゲルは室温で栄養剤(ラコール)と混合して10分後にはほぼ安定したかたさと粘度を持つ固形物が得られ、一部の栄養剤(エンシュアリキッド、インパクトなど)を除き、ほとんどの栄養剤をヨーグルト状もしくはプリン状に増粘及び固形化することが可能であった。また、イージーゲルを添加する栄養剤使用量の増減や水での希釈を行うことにより固形物のかたさや粘度を自由に調節することが可能であった。
以上の結果から、イージーゲルは、一部の栄養剤を除き、多くの経腸栄養剤や流動食を混合するだけで簡単に増粘・固形化が可能であり、しかも栄養剤量を加減することで自由にかたさを調節できることから、PEGチューブなどを介した固形化栄養療法における栄養剤の増粘・固形物の提供などに臨床上有用であると評価された。