静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
Print ISSN : 1344-4980
ISSN-L : 1344-4980
特集:侵襲期栄養管理のトピックス
Immunonutritionの実際
鍋谷 圭宏
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 22 巻 3 号 p. 289-296

詳細
抄録
アルギニン、ω-3系脂肪酸、核酸などの特殊栄養成分を含む免疫増強栄養剤を用いて生体防御能・免疫能を高め、感染性合併症の減少や予後の改善を期待するimmunonutritionは、欧米での多くの臨床試験の結果から、待期的消化管手術での有用性が報告されてきた。免疫増強栄養剤は経腸的投与という制限はあるが、わが国でもimmunonutritionは特に消化器外科待機手術の新しい周術期管理法として将来の発展が期待される。しかし、immunonutritionは有用であるとの結論が先行したような研究報告は厳に慎むべきである。今後、わが国で新しく開発された製品を含め、免疫増強栄養剤の成分を考慮してわが国における適応・投与法ならびに臨床的意義などを科学的に解明していく必要がある。
著者関連情報
© 2007 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top