静脈経腸栄養
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特集:侵襲期栄養管理のトピックス
Insulinの作用機序に関する最近の知見
金子 能人佐藤 譲
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2007 年 22 巻 3 号 p. 297-303

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抄録
インスリンは、糖代謝に関する作用が最も知られており、生体内でインスリンが不足したり、十分な働きができない(抵抗性)場合、エネルギー源であるブドウ糖が有効に利用されないため糖代謝異常が起こる。インスリンは種々の臓器、組織に様々な作用を及ぼす。インスリンの作用として、肝臓における糖新生の抑制や骨格筋・脂肪組織における糖取り込みの促進作用は知られている。他の臓器に対する作用としては、腎臓も糖新生にかかわるが、それを抑制したり、血管においては、血管収縮性に働き血圧上昇を起こしたり、血管拡張性に働き降圧を生じる作用もある。また、中枢性に作用し食欲を調節する因子の1つとして機能する。
手術侵襲時には、抗インスリンホルモン・サイトカインの分泌亢進により、インスリン作用が低下し、種々の作用に影響を及ぼす。
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© 2007 日本静脈経腸栄養学会
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