静脈経腸栄養
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特集:高齢者の栄養管理 そのポイントとup to date
リハビリテーションと栄養管理
西岡 心大宮澤 靖
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2007 年 22 巻 4 号 p. 471-475

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抄録

脳血管疾患では、急性期を離脱しても、麻痺や嚥下障害などの機能障害が残存するため、早期からのリハビリテーションが必要である。特に嚥下障害は脱水や低栄養を招き、食べるという基本的欲求を喪失することに繋がる。摂食嚥下リハビリテーションは、まず摂食嚥下評価を行い、摂食嚥下能力を把握することから始まる。食物を用いた直接訓練はゼラチンゼリーから開始するのが安全である。モニタリングを行い、必要栄養量・水分量が適切なルートから投与されるように計画する。また、外科手術前に、心肺機能トレーニングや筋力トレーニングなどの術前リハビリを6~12週間実施すると、手術侵襲、活動量低下による機能低下を抑制することが報告されている。栄養管理とリハビリは相補的にはたらき、リハビリ実施中の患者に対する栄養サポートは、ADL向上という側面からも有効性が期待できるが、明確な基準はまだ存在していない。我が国の実情を考慮した形で、可能な限り早期からのリハビリ実施と、術前の栄養状態の維持改善が推奨される。

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© 2007 日本静脈経腸栄養学会
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