抄録
誤嚥性肺炎を繰り返す経管栄養患者に対し、植物成分であるペクチンを用いた粘度調整は安全性も高く、有効な手段と考えられている。今回メイバランス1.5にペクチンを主成分とするREF-P1を併用し、誤嚥予防効果の有無を検証した。同一患者に投与する栄養剤の条件を変えて、投与終了1時間後の胃内の栄養剤の性状を観察し、in vitroの混合栄養液と比較した。REF-P1の使用によりメイバランス1.5は粘性と沈殿凝集体形成が増加した。白湯で希釈されたメイバランス1.5とREF-P1との併用は、胃内での粘性上昇に乏しく誤嚥性肺炎を併発したが、白湯別投与とした併用は、胃内での粘性上昇が比較的保たれ、誤嚥性肺炎を併発せず経過良好であった。メイバランス1.5とREF-P1との併用は誤嚥性肺炎の予防に有効であると考えられた。