抄録
【目的】在宅医療で多用されている成分栄養剤や消化態栄養剤に対して各種増粘・ゲル化調整食品の半固形化特性を比較し、それらの有用性を検討した。
【対象及び方法】増粘・ゲル化調整食品にイージーゲル、リフラノン、ファセットパウダーを用い、成分及び消化態栄養剤に添加して性状・物性を調べた。また、これら混合物の消化管内における形状変化を調べるため、人工胃、腸液を用いた溶解試験を行った。
【結果】イージーゲルは成分及び消化態栄養剤をプリン状に半固形化したが、リフラノンやファセットパウダーでは半固形化しなかった。また、人工胃液中でイージーゲルを添加した栄養剤は形状を保持したが、リフラノンやファセットパウダーを添加した栄養剤は速やかに溶解した。人工腸液中ではいずれも溶解した。
【結論】イージーゲルは成分及び消化態栄養剤を簡便に半固形化でき、胃食道逆流の予防などに有用であると期待された。