2009 年 24 巻 2 号 p. 543-548
小児において栄養障害により身体発育障害、新陳代謝の抑制、創傷治癒の遅延や容易に感染などが生じるだけでなく、栄養が回復した後にも身体発育や脳発達に永続的な悪影響を与える可能性がある。こどもの成長を線で捕え、その軌道が外れないように見守り、軌道が外れていれば適切にその原因を評価し早期に軌道修正をすることが健全な発育発達に重要であり“栄養”はその中心的な役割を担っている。それ故にNSTにおける栄養士の役割は大きく、現状の把握に終わるだけが役目ではない。栄養障害の原因と結果を常に考えながら情報を収集しまた評価したものを患者と一緒に、どのように実践に結び付けるようにするかを考え、行動することこそが管理栄養士の重要な役割である。患者の予後は管理栄養士の肩にかかっているといって過言はない。