静脈経腸栄養
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調査報告
日赤薬剤師会「簡易懸濁法に関するアンケート調査」集計結果 H18.1とH19.6との比較
西園 憲郎我妻 仁佐々木 吉幸稲瀬 實賀勢 泰子安藤 哲信倉田 なおみ
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2009 年 24 巻 2 号 p. 595-598

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抄録
内服薬を経管に投与する場合, 錠剤粉砕・カプセル開封をして粉末状に調剤し, その薬を水に懸濁させてチューブから注入する。これが, どこの病院, 施設, 在宅の場で、何十年間も当然の流れとして慣例的に実施され, それが疑問視されることもなく今日まできた。しかし、薬を経管に投与を行う現場ではチューブ閉塞や薬の投与量のロスなどたくさんの問題が発生している。そのような事例を薬学的な観点から考えた“簡易懸濁法”が発案された。「内服薬経管投与ハンドブック」 (じほう) 初版の冒頭に「今後の医療に変革をもたらす可能性のある技術を紹介する本である」と書かれている。簡易懸濁法はこの書籍の出版を契機として急速に全国に広まり, 定着しつつある。
そのような中、日赤薬剤師会では簡易懸濁法に関するアンケートを平成18年と19年の2回実施し、その普及率の増加が判明するデータを得ることが出来た。簡易懸濁法実施病院は、平成18年1月から19年6月の1年半で15%も増加しており、「簡易懸濁法」は、粉砕によるロスがなくなるなどメリットが多いと回答していた。今回のアンケート結果から、未実施病院でも簡易懸濁法に興味を示し、さらに普及してくると考えられる。本稿では、アンケート集計結果について概説した。
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© 2009 日本静脈経腸栄養学会
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