静脈経腸栄養
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特集:必要エネルギー量の算出法と投与の実際
各論 各種病態におけるエネルギー、基質代謝の特徴と、至適エネルギー投与量 (肝障害、腎障害)
濱田 康弘上野 公彦河野 圭志門口 啓宇佐美 眞
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2009 年 24 巻 5 号 p. 1045-1051

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抄録

肝臓は三大栄養素のみならず、各種ビタミンなどの代謝における中心臓器である。また、腎臓は生体の恒常性保持に必須の臓器である。すなわち、それぞれの機能が障害されるとさまざまな代謝異常が生じてくる。肝障害においては、安静時エネルギーの亢進、脂肪の燃焼亢進、糖質の燃焼低下がみられる。さらに、分岐鎖アミノ酸の減少といった特徴もみられる。腎障害においては、エネルギー消費量が増大し異化亢進状態となり、体蛋白の崩壊をきたす。さらに肝不全と同様、分岐鎖アミノ酸の減少がみられる。治療面においては、肝不全における蛋白不耐症のため、また、保存期腎不全における腎機能保護のために蛋白制限が必要といった特殊な栄養学的治療が必要となる場合もある。

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© 2009 日本静脈経腸栄養学会
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