抄録
より良い栄養管理は、栄養アセスメントの質によって決まる。特に栄養アセスメントの門番を担う栄養スクリーニングは、全入院患者を対象とするため、職種を問わず誰にでも簡便に効率よく実施でき、かつ有用性が高くなければならない。現在あるいくつかのアセスメントツールの項目と内容について栄養スクリーニングを中心にまとめた。さらに、岐阜大学医学部附属病院高度先進外科における術後の入院期間と入院時アセスメント項目との関連性について後ろ向き調査を行い、検討を加えた。その結果、今回取り上げたアセスメントツール5種に、食事量の減少と体重減少の項目があり、当科においても原疾患や術式を問わず、術後の入院期間と食事量の減少との間に有意な相関関係を認めた。栄養アセスメントで最も重要な項目は、食事が十分に食べられるかどうかということとそれを反映する体重測定であり、食べられない理由について傾聴することの重要性を再認識した。