静脈経腸栄養
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脂溶性ビタミン
岡野 登志夫
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2010 年 25 巻 3 号 p. 789-795

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抄録
脂溶性ビタミンの食事摂取基準は以下のように策定された。乳児に対して、ビタミンA、D、E、Kともに母乳中濃度と哺乳量を基に目安量が設定された。ただし、ビタミンDについては日照の影響を考慮した。ビタミンAは、肝内最少ビタミンA貯蔵量を基に推定平均必要量・推奨量が設定された。ビタミンDは、血中副甲状腺ホルモン濃度の上昇を抑えるに必要な血中25-ヒドロキシビタミンD濃度を指標に、また、ビタミンEは赤血球の膜破壊 (溶血反応) を抑制するに必要な血中α-トコフェロール濃度を指標に、平成17・18年度国民健康・栄養調査報告におけるビタミンDおよびビタミンEの摂取量を考慮して目安量が設定された。ビタミンKは、血液凝固を正常に維持するに必要なビタミンK摂取量を基に目安量が設定された。妊婦・授乳婦の付加量は、各脂溶性ビタミンの体内蓄積性あるいは代謝特性を考慮して設定された。ビタミンK以外の脂溶性ビタミンに耐容上限量が設定された。
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© 2010 日本静脈経腸栄養学会
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