抄録
【目的】小児外科領域において摂食障害、嚥下障害に対する胃瘻造設術は重要な手術手技である。しかし胃瘻は時としてその管理に難渋し、再造設を余儀なくされる場合がある。われわれは当科で胃瘻造設術後に再造設術が必要となった症例についてその原因を検討した。
【対象と方法】過去10年間に胃瘻造設術を受けた91症例を対象とし、周囲からの漏れのために再造設術を施行した症例の発症要因を検討した。
【結果】91症例のうち胃瘻再造設術を余儀なくされた症例は5例 (2~15歳) で、全例が小開腹によるStamm法で造設されていた。また全例が開腹創を通じて直接胃瘻チューブが導出されていた。
【結論】胃瘻造設時に開腹創を通じて直接胃瘻チューブを導出した場合、創部感染や腹壁過進展の影響により瘻孔部位の菲薄化を来して唇状瘻となりやすいため、胃瘻チューブは独立創より導出すべきと考えられた。