静脈経腸栄養
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原著
安全な経皮内視鏡的胃瘻造設術を目指した段階を踏まえた周術期管理の工夫
沖田 充司宮出 喜生市川 美年片山 由紀中嶋 町子
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2011 年 26 巻 2 号 p. 771-776

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抄録

【目的】安全な経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) のための段階を踏まえた周術期管理の工夫を検討した。
【対象と方法】2007年3月から6月まで原疾患治療のため長期間絶食で栄養障害を有し、嚥下障害のためPEGが必要となった8症例を対象。初期評価からPEG造設過程までを5段階とした周術期管理を行った。第1段階 : 初期栄養評価と静脈栄養法の導入、第2段階 : 経鼻胃管留置と腸管機能の回復。第3段階 : 画像評価。第4段階 : 経鼻経管栄養単独管理への移行。第5段階 : PEG造設とし、段階ごとに管理について検討した。
【結果】平均年齢は88.1歳、男性4例、女性4例であった。全例経鼻経管栄養を導入できたが、1例は低酸素血症が進行し全身状態が悪化したためPEG適応外とし、7例にPEG造設を行った。初診からPEG造設まで38.3日を要した。重篤なPEG関連の合併症および術後6カ月以内の早期死亡例はなかった。
【結語】周術期管理の工夫により安全にPEGを施行できる可能性が示唆された。

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© 2011 日本静脈経腸栄養学会
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