静脈経腸栄養
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26 巻, 2 号
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特別寄稿
特集:ESPEN-LLLに学ぶ(前編)
  • 谷口 正哲
    2011 年 26 巻 2 号 p. 648-650
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
  • 福島 亮治, 佐々木 雅也, Johann OCKENGA, Kristina NORMAN, Luzia VALENTINI
    2011 年 26 巻 2 号 p. 651-675
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
  • 竹山 廣光, 谷口 正哲, Federico BOZZETTI, Andre Van GOSSUM, Asuncion BALLARIN, ...
    2011 年 26 巻 2 号 p. 677-702
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
  • 石橋 生哉, Jens KONDRUP
    2011 年 26 巻 2 号 p. 703-711
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    肝疾患への栄養サポートは大きく分けて, 急性肝不全と慢性肝不全への治療に分けられる. 急性肝不全では罹患前の栄養状態は良いことが多いが, 肝性脳症や脳浮腫によって早期の肝再生あるいは肝移植がなされなければ死に至る. したがって栄養療法は,移植までの橋渡し, あるいは早期肝再生を目的として行い, グルコース不耐性への配慮と適度なアミノ酸投与による高アンモニア血症の予防が重要である. 慢性肝不全患者では度々ビタミンやミネラルの欠乏症を伴った低栄養状態を呈するが, 慢性肝不全患者への栄養療法によって予後を改善する. 腹水合併患者では中程度の塩分制限が必要である. 多くの肝硬変患者では栄養素の代謝障害やタンパク要求量の増加を認めるが, 標準的な投与経路・組成による栄養療法が可能であり, 肝性脳症患者への高タンパク摂取は禁忌ではないが, 肝性脳症悪化患者ではタンパク不耐症と判断し分岐鎖アミノ酸投与を試すべきである.
  • 栗山 とよ子, Rémy MEIER, Johann OCKENGA
    2011 年 26 巻 2 号 p. 713-722
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    急性膵炎、慢性膵炎は代表的な膵の炎症性疾患であるが、両者は病態生理、臨床経過ともに異なり、従って栄養管理も異なるアプローチが必要である。急性膵炎では、ほとんどを占める軽症~中等症例の栄養状態に問題はなく栄養治療が必要となることは少ないが、重症例では栄養障害のリスクが高く死亡率や合併症発症率にも関連するため栄養治療は重要である。従来は静脈栄養が主流だったが、膵外分泌刺激に対する安全性や予後改善効果より、最近では経腸栄養に移行してきている。一方慢性膵炎は、膵外分泌腺の進行性喪失に伴う消化・吸収障害が病態の特徴であるため高率に栄養障害を認め、さらに低栄養は死亡率増加にも関与する。したがって栄養管理は疼痛コントロールや膵酵素投与と同様に多角的な治療の一部に位置づけられる。一般に経口摂取に問題はなく栄養カウンセリングが中心で、経腸栄養や静脈栄養の必要性は少ない。なお、急性増悪期は急性膵炎に準じた栄養管理を行う。
  • 小山 諭, 森 直治, Olle LJUNGQVIST, Ken FEARON, Mattias SOOP, CHC DEJONG
    2011 年 26 巻 2 号 p. 723-735
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    手術や外傷に伴うストレス反応は、生体にとって本来、有益な現象であるが、制御を失うと有害なものとなる。患者を手術から早期に回復させ、手術アウトカムを最良のものにするために、侵襲を最小限にし、栄養管理をはじめとする集学的な周術期管理を行うことが重要である。ERAS (Enhanced Recovery After Surgery) プログラムと呼ばれるこのモダンな周術期管理は、術前絶食期間を最短として炭水化物の負荷を行い、術前腸管のプレパレーションや術後経鼻胃管留置を回避し、胸部硬膜外ブロックや非オピオイド性の鎮痛薬投与による鎮痛、早期経口摂取・早期離床の励行、適正な周術期の輸液・血糖管理、術前低栄養の是正等を行うことにより、術後の回復に有害な種々の生体反応、インスリン抵抗性や腸管麻痺を軽減し、手術侵襲からの早期回復と良好な手術アウトカムをもたらす。
原著
  • 神谷 しげみ, 藤 重夫, 松原 弘樹, 平野 貴子, 橋本 浩伸, 古田 耕, 福田 隆浩, 高上 洋一, 桑原 節子, 金 成元
    2011 年 26 巻 2 号 p. 737-745
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的・方法】同種造血幹細胞移植後の推奨総投与カロリーはbasal energy expenditure (BEE) の1.3~1.5倍相当とされている。同種造血幹細胞移植後の栄養状態維持に必要な最小総投与カロリーを検証するために、体構成成分及び安静時エネルギー代謝量を経時的に実測した。在院中の平均総投与カロリーにより低カロリー投与群(BEE未満)、中カロリー投与群 (BEEの1.0~1.3倍相当)、高カロリー投与群 (BEEの1.3倍相当以上) の3群に分けて解析した。
    【結果】3群間で生化学検査値および感染症発症割合、grade II以上の急性移植片対宿主病発症割合に差はなかった。しかし、低カロリー投与群では移植前と比して有意に体重、骨格筋量、体脂肪量が減少し、他2群と比して移植後の在院日数も有意に長かった (76日対46日、P=0.03)。
    【結論】同種造血幹細胞移植後早期の総投与カロリーは少なくともBEE以上を維持した方が良い可能性が示唆された。
  • 早川 富博, 川島 昭浩, 小林 真哉, 鈴木 祥子, 永田 治, 佐々木 一
    2011 年 26 巻 2 号 p. 747-755
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】消化吸収能が緩慢なパラチノースをおもな炭水化物とする糖質調整流動食 (インスロー) の長期摂取が,内臓脂肪量を減らすか否かについて検討した。
    【対象と方法】肥満が気になるボランティア19名(男11名、女8名)を対象とした。インスロー1缶 (250mL:250kcal) の毎朝食時1日1回摂取を3ケ月間継続し,その前後と摂取終了後3ケ月に、腹部CTによる臍レベルの内臓脂肪測定とGTT+IRI, 糖・脂質の血液検査を実施した。
    【結果】インスロー摂取によって体重, BMIに変化はなかったが、内臓脂肪は有意に減少した。GTT+IRIでは30分のIRI値が有意に低下し、HOMA-IRも有意に低下した。総コレステロール値もLDL/HDL比も有意に低下した。明らかな副作用は認めなかった。
    【結論】糖質調整流動食 (インスロー) の長期摂取は内臓脂肪量を減少させることが明らかとなり、メタボリックシンドローム予備軍の抑制に役立つと期待される。
  • 福島 亮治, 長谷部 正晴, 森田 直巳, 谷口 正哲, 高田 耕二, 本宮 洋, 大泉 旭, 志越 顕, 金子 実里, 田中 芳明
    2011 年 26 巻 2 号 p. 757-763
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    DM-1は、血糖値上昇の抑制を目的とし、L-イソロイシンを配合強化した新規濃厚流動食である。本研究は、耐糖能異常を伴う高齢者20例を対象とし、DM-1の血糖上昇抑制効果を検証した。
    対象は、空腹時血糖値110-150mg/dLの完全経管栄養患者とした。DM-1の評価は、DM-1または従来使用されている一般的な濃厚流動食を1週間投与し、各濃厚流動食投与最終日の血糖値およびインスリン値を、無作為抽出クロスオーバー試験で比較した。
    DM-1群の最高血糖値は139±11mg/dLであり、一般的な濃厚流動食群の148±12mg/dLに比べ有意に低かった。また、血中インスリン値は、DM-1群が一般的な濃厚流動食群に比べ低い傾向を示した。
    これらの結果から、DM-1は耐糖能異常を伴う高齢経管栄養患者の血糖管理に有用であることが示唆された。
  • ―胃瘻周囲からの漏れの発症要因を中心に―
    大割 貢, 臼井 規朗, 曹 英樹, 田附 祐子, 神山 雅史, 福澤 正洋
    2011 年 26 巻 2 号 p. 765-769
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】小児外科領域において摂食障害、嚥下障害に対する胃瘻造設術は重要な手術手技である。しかし胃瘻は時としてその管理に難渋し、再造設を余儀なくされる場合がある。われわれは当科で胃瘻造設術後に再造設術が必要となった症例についてその原因を検討した。
    【対象と方法】過去10年間に胃瘻造設術を受けた91症例を対象とし、周囲からの漏れのために再造設術を施行した症例の発症要因を検討した。
    【結果】91症例のうち胃瘻再造設術を余儀なくされた症例は5例 (2~15歳) で、全例が小開腹によるStamm法で造設されていた。また全例が開腹創を通じて直接胃瘻チューブが導出されていた。
    【結論】胃瘻造設時に開腹創を通じて直接胃瘻チューブを導出した場合、創部感染や腹壁過進展の影響により瘻孔部位の菲薄化を来して唇状瘻となりやすいため、胃瘻チューブは独立創より導出すべきと考えられた。
  • 沖田 充司, 宮出 喜生, 市川 美年, 片山 由紀, 中嶋 町子
    2011 年 26 巻 2 号 p. 771-776
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/04/20
    ジャーナル フリー
    【目的】安全な経皮内視鏡的胃瘻造設術 (PEG) のための段階を踏まえた周術期管理の工夫を検討した。
    【対象と方法】2007年3月から6月まで原疾患治療のため長期間絶食で栄養障害を有し、嚥下障害のためPEGが必要となった8症例を対象。初期評価からPEG造設過程までを5段階とした周術期管理を行った。第1段階 : 初期栄養評価と静脈栄養法の導入、第2段階 : 経鼻胃管留置と腸管機能の回復。第3段階 : 画像評価。第4段階 : 経鼻経管栄養単独管理への移行。第5段階 : PEG造設とし、段階ごとに管理について検討した。
    【結果】平均年齢は88.1歳、男性4例、女性4例であった。全例経鼻経管栄養を導入できたが、1例は低酸素血症が進行し全身状態が悪化したためPEG適応外とし、7例にPEG造設を行った。初診からPEG造設まで38.3日を要した。重篤なPEG関連の合併症および術後6カ月以内の早期死亡例はなかった。
    【結語】周術期管理の工夫により安全にPEGを施行できる可能性が示唆された。
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