静脈経腸栄養
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特集
大規模災害時のオーラルマネジメント
岸本 裕充門井 謙典
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2012 年 27 巻 4 号 p. 1041-1045

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抄録

大規模災害時には、「口腔清掃」に始まり、「食べる」をゴールに見据えたオーラルマネジメントが必要とされる。なぜなら、口腔は呼吸器と消化器の共通の入り口であり、口腔の機能が低下・障害されると肺炎や低栄養に繋がるためである。
「歯が痛い」、「義歯が破損した」というような歯科治療の必要性が明らかな場合は当然として、被災者から歯や口腔に関する訴えがなくても、潜在的なニーズの存在があることを念頭に、歯科との連携を図るべきである。
筆者らの経験上、褥瘡対策やこころのケアを必要とする被災者は、口腔にも問題を抱えていることが多い。いずれも、「食べる、栄養に関連が深い」、そして「いきなり診せてもらうことが難しい」という点で共通している。したがって、褥瘡・口腔・こころを3点セットにし、歯科を含めた多職種によるチーム医療を、平時と同様に大規模災害時にも実践すべきであろう。

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© 2012 日本静脈経腸栄養学会
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