静脈経腸栄養
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特集
東日本大震災における急性期の栄養管理
石橋 悟
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2012 年 27 巻 4 号 p. 1047-1050

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抄録
当院では震災直後の病院機能は保たれ、ほぼ通常体制で災害医療を行ったが、急性期の栄養管理は全くできず、中心静脈栄養や経管栄養が安定して対応できるようになるまでは約1カ月を、院内給食における全食種対応、アレルギー対応、NST活動、栄養指導など、すべてにおいて通常体制に復帰するまで約2カ月を要した。
この間の栄養管理を平時と同様に行えるようにするための新たな取り組みは現在のところ行っていない。あらゆる業務に多数の人数が割かれる災害時の院内対応においては、既存の職員だけでは全く人員不足で、また、栄養管理は優先順位が下がるため、もし本当に急性期の完全な栄養管理を目指すなら、物資の供給体制、院内の在庫管理、調理・調剤、配膳・配送、洗浄・廃棄のすべての段階での物的、人的な体制強化が必要になると思われる。
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© 2012 日本静脈経腸栄養学会
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