抄録
がん化学療法に使用する抗がん薬の多くは、細胞毒性、発がん性、催奇形性を有するため危険性医薬品に分類される。そのため、抗がん薬を投与する際には、曝露防止や血管外漏出対策といった、栄養療法とは別の観点からの注意や対策が必要となる。しかし、運用による対策には限界があり、それだけでは患者や患者家族、そして医療従事者全ての安全を確保するには不十分である。そこで今回、がん化学療法施行時に使用することで、抗がん薬曝露対策、血管外漏出対策、及び投与時のトラブル対策等の安全性向上に役立つ医療器材について紹介する。医療安全向上のためには、これらの医療器材を使いこなすための情報と技術が必要不可欠である。