静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
Print ISSN : 1344-4980
ISSN-L : 1344-4980
臨床経験
ペプタメンAFTMのARDS患者の栄養療法における安全性についての検討
小笠原 隆岡本 康子丸井 志織嶋津 多佳子蓜島 桂子内藤 慶子島田 理恵神谷 晴敏坂田 淳池松 禎人
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 28 巻 4 号 p. 1003-1006

詳細
抄録

【目的】人工呼吸管理を要する急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者に対してペプタメンAFTM投与の安全性を評価する。【方法】2010年11月より2012年3月までに人工呼吸管理を行い、栄養療法としてペプタメンAFTMを使用した16症例を後方視的に検討した。【結果】症例は男/女:11/5で、年齢中央値76歳であった。1例(6%)にGrade1の嘔吐、1例(6%)にGrade3の下痢を認めたが、栄養計画の変更を要した症例はなかった。10例で人工呼吸管理開始後72時間以内にペプタメンAFTMが開始され(早期開始群)、残り6例はそれ以降で開始(後期開始群)とされていた。早期開始群の方が有意に人工呼吸器装着期間、ICU滞在期間が短かったが、60日以内の院内死亡には差がなかった。【結語】ARDSなどの人工呼吸管理症例の経腸栄養療法において、ペプタメンAFTMは安全に使用でき、早期経腸栄養の実践には有用な栄養剤であると考えられた。

著者関連情報
© 2013 日本静脈経腸栄養学会
前の記事 次の記事
feedback
Top