抄録
在宅中心静脈栄養法(home parenteral nutrition: HPN)では様々な医療スタッフの連携が不可欠であり、保険薬局もその一端を担っている。今回、在宅医療におけるHPNへの取り組みとその評価について報告する。2008年1月~2011年12月までの期間におけるHPN関連業務内容(輸液ポンプレンタル延べ件数、居宅療養管理指導件数の推移等)について調査するとともに、連携医療機関にアンケート調査を行った。ポンプレンタル延べ件数、居宅療養管理指導件数は経時的に増加しており、HPN実施中の問い合わせ内容については在宅栄養管理において総合的な判断が必要とされるものも含まれていた。アンケートではHPNにおける保険薬局の対応に対し、「非常に良い」、「良い」が各項目において半数以上を占めていた。今回の検討結果は保険薬局が地域医療に積極的に取り組むための方向性の一つになり得ることが示唆された。