2013 年 28 巻 5 号 p. 1075-1081
高齢者の栄養を考える上で、看護師は、高齢者の身体的機能低下や心理的機能低下を理解し、病院、在宅、施設など場所を問わず、本人や家族、施設職員に行う聞き取りや、実際の患者の身体計測、摂食・嚥下状態を詳細に観察した上で栄養評価を実施し、栄養障害や栄養障害のリスクをもつ高齢者を早期に発見することが最も重要な役割である。そして、これらの情報をもとに、多職種と連携を図りながら、患者や家族に一番身近な存在として、そのチームの中心となって栄養療法を実践、モニタリングし、栄養障害からくる様々な問題を回避し、その人らしい生活の質 (Quality of life; QOL) の維持、向上を目指してケアを継続していくことが重要である。