静脈経腸栄養
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特集
当院における輸液ライン管理の実際
森 みさ子
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2014 年 29 巻 2 号 p. 711-716

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抄録

当院のような大学病院に限らず、急性期治療では注射薬による治療と静脈栄養管理が並行して行われる。投与アクセスとしての静脈ラインは適切に管理されてこそ、適切な診療が実現する。管理の主体は看護師であり、当院の質的管理の現状について報告する。まず、どの段階でも手指衛生が基本だが、具体的なタイミングを示す啓発活動に加え、手指衛生が実施できる物品の提供や環境整備にも病院として取り組んでいる。次に、種々の輸液製剤の病棟でのミキシングや脂肪乳剤のような取り扱いに配慮が必要な製剤では厳格な管理を要するため、関連する委員会等と連携して現実的対策を実践している。さらに、ラインディバイスの取り扱いやカテーテル刺入部管理手技に関しても、現場での問題点を検討し形式的管理に陥らないような努力をしている。
こういった対策も遵守が原則であり、継続的な啓発が必要である。さらにまだまだ改善すべき課題が残っており、解決に向けて取り組まなければならない。

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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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