抄録
【目的】地域連携パスを用いた多施設協同の調査で、脳卒中病型別の絶食期間および、入院時重症度と栄養状態の推移を検討することを目的とした。【対象および方法】平成21年7月から22年6月に、能登脳卒中地域連携パスに登録された508名を対象とし、後方視的に調査した。【結果】対象全体の絶食期間は2.3±7.7日で、入院時の NIHSSとの間に正の相関が認められた(p<0.01)。絶食期間は、脳梗塞1.8±6.7日、高血圧性脳内出血3.5±10.6日、クモ膜下出血3.5±5.4日であった。絶食期間の病型群間比較において、脳梗塞と高血圧性脳内出血およびクモ膜下出血の間に有意差が認められた(p<0.01)。BMIと血清アルブミン値は、入院時と急性期終了時で比較すると、全ての病型において有意に減少していた(p<0.01)。またその減少量は、心原性脳塞栓症においてラクナ梗塞と比較して有意に大きかった(p<0.01)。【結語】入院時絶食期間とその後の栄養状態について、脳卒中の病型および入院時の重症度との関連が示唆された。