静脈経腸栄養
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症例報告
経皮内視鏡的胃瘻造設術後1年6ヶ月目に判明した胃結腸皮膚瘻の1例
市下 和博平林 伸治狭間 洋至吉田 真佐子吉持 奈津子河合 佐紀子深海 広平谷尾 正昭中井 規臣子根津 理一郎
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2014 年 29 巻 3 号 p. 883-887

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抄録
症例は69才男性。2009年6月、転落外傷による多発骨折、気胸にて人工呼吸器管理下に手術施行。その後、経口開始するも嚥下障害にて肺炎頻発したため、同年10月経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;PEG)施行、その後内視鏡下に2回カテーテル交換し、廃用症候群に対するリハビリ目的にて2010年8月当院転院となった。経腸栄養(enteral nutrition;EN)投与するも肺炎を繰り返し、末梢静脈栄養を併用していた。10月末、突然多量の水様下痢が出現、EN中止し中心静脈栄養管理とし、その後EN再開を試みるも水様下痢がみられた。2011年4月、内視鏡下にカテーテル交換を試みるも胃内に内部ストッパーはなく、CT・造影にて内部ストッパーは横行結腸内にあることが判明、胃結腸皮膚瘻と診断された。PEG施行後1年を経て発症し、診断までに6ヶ月を要したが、経腸栄養剤投与直後の水様性下痢が認められた場合には本症を念頭に入れる必要があり、PEGの稀な合併症として留意すべきと考えられた。
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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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