静脈経腸栄養
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特集
高齢者の術後早期回復の適切なアウトカム設定は?
宮田 剛
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2014 年 29 巻 6 号 p. 1279-1284

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抄録
ERAS®の普及により外科臨床における周術期管理は大きな変化を遂げている。従来慣習で行われてきた安静や絶飲食が見直され、身体機能の回復を促進する因子、あるいは阻害する因子を根本から問い直す作業がなされてきている。特に身体機能の低下した高齢者に対する術後回復促進策をより健全に発展、普及させていくに当たっては、回避すべき身体機能低下や認知機能障害などの病態を明確に捉えて、適切なアウトカム指標の設定をすることが必要となる。多くの術後回復促進策に関する論文で議論されている術後在院日数や合併症頻度などは、最終的な管理者用アウトカムとして評価するには適しているが、必ずしも日々の臨床における目標にはなり得るわけではない。そこで、ESSENSEプロジェクトの基本理念を踏まえた上で、「誰が、何のために、どの時点で、どんな指標を何と比較するのか」を整理し、日常臨床でも目指すべきアウトカム指標を提案する。
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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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