日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
当院を受診した外国人妊婦旅行者症例の検討
中澤 毅大畑 尚子石塚 貴紀高田 萌々小松 泰生直海 玲石川 裕子諸井 明仁大橋 容子高橋 慶行橋口 幹夫青柳 藍源川 隆一
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2020 年 56 巻 1 号 p. 96-100

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抄録

 目的:2018年に沖縄県を訪れた外国人観光客は290万人と過去最高を更新している.これに伴い当院救急室を受診する外国人旅行者妊婦も増加している.今回当院を受診した外国人旅行者妊婦症例の実際に対応した際の特徴や問題点・今後の課題について検討した.

 対象および方法:2014年1月1日から2018年12月31日の5年間に当院救急室を受診した外国人旅行者妊婦の診療録を後方視的に検討した.

 結果:当該期間に受診した外国人旅行者妊婦は37例だった.多くは軽症だが,入院・分娩の症例も存在し入院費は母児を含めて300万円前後であった.また異なる言語・文化・保険システムが現場対応となる事も多く診療・治療に支障となる事例が確認された.

 考察:外国人旅行者妊婦症例は増加しており緊急の対応が必要となる場合もある.限られた医療資源の中で対応の難しい症例もあり,今後の環境整備が重要だと考えられた.

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© 2020 日本周産期・新生児医学会
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