日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
一般市中病院における単胎正期産児の新生児呼吸障害のリスク因子の検討
當山 真紀崎原 徹裕
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2021 年 57 巻 2 号 p. 263-268

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抄録

 2018年1月〜2019年12月の出生児(Development dataset,DD)で呼吸障害のリスク因子から予測ツールを作成し,予測精度を胎児機能不全に伴う急速遂娩(NRFS急遂娩)の有無による予測と比較した.2020年1〜12月の出生児(Validation dataset,VD)で同ツールの予測精度を検証した.DD 1,209例(呼吸障害73例)で呼吸障害に関連したLate term,帝王切開,NRFS急遂娩,臍帯血pH < 7.12から作成した予測ツールの精度(AUC 0.69;95% CI 0.63-0.76)はNRFS急遂娩の有無による予測の精度と同等以上で,VD 649例(呼吸障害44例)でも同様であった(AUC 0.66;0.57-0.74).一般市中病院における新生児呼吸障害に対し,Late term,帝王切開,NRFS急遂娩,臍帯血pHを用いた予測ツールは有用である.

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© 2021 日本周産期・新生児医学会
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