2021 年 57 巻 2 号 p. 263-268
2018年1月〜2019年12月の出生児(Development dataset,DD)で呼吸障害のリスク因子から予測ツールを作成し,予測精度を胎児機能不全に伴う急速遂娩(NRFS急遂娩)の有無による予測と比較した.2020年1〜12月の出生児(Validation dataset,VD)で同ツールの予測精度を検証した.DD 1,209例(呼吸障害73例)で呼吸障害に関連したLate term,帝王切開,NRFS急遂娩,臍帯血pH < 7.12から作成した予測ツールの精度(AUC 0.69;95% CI 0.63-0.76)はNRFS急遂娩の有無による予測の精度と同等以上で,VD 649例(呼吸障害44例)でも同様であった(AUC 0.66;0.57-0.74).一般市中病院における新生児呼吸障害に対し,Late term,帝王切開,NRFS急遂娩,臍帯血pHを用いた予測ツールは有用である.