日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
症例報告
父親の性腺モザイクに起因する家族性Campomelic dysplasia
谷村 知繁杉浦 崇浩神農 英雄戸川 泰子大石 彰杉本 真里加藤 丈典岡田 真由美村松 幹司
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キーワード: Campomelic dysplasia, mosaicism
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2021 年 57 巻 3 号 p. 540-544

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抄録

 Campomelic dysplasia(以下CD)はSOX9遺伝子変異による常染色体優性遺伝の骨系統疾患である.重度の呼吸不全をきたすことが多く,ほとんどがde novo変異による孤発例であり家族発症例は稀である.今回,我々は父親の性腺モザイクに起因すると推定されるCD同胞例を経験した.第1子は重症のCDであり,第2子も胎児期に同様の所見が認められた.父親は生来健康だったが,低身長を認め,遺伝学的解析によりモザイクが示唆された.さらに父親のX線写真では肩甲骨および腸骨の低形成を認めた.CDモザイク症例では低身長や骨低形成を認めたとの報告が散見され,CDを経験した際は,両親に低身長や骨形成不全がないか確認することにより両親の性腺モザイクを推測し,次子のCD発症を検討する上で有益な情報となりうる.

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© 2021 日本周産期・新生児医学会
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