2022 年 58 巻 1 号 p. 44-51
早産small for gestational age児の生育限界および成育限界を探るため,2010年から2015年に在胎34週未満で出生した出生体重3パーセンタイル未満の単胎を対象に後方視的研究を行った.評価項目は短期予後良好(生後28日時点の生存)と長期予後良好(3歳時の神経学的異常のない生存)の頻度とし,半数以上の児が短期および長期予後良好となる在胎週数,出生体重をそれぞれ生育限界,成育限界とした.対象は61例で,長期予後は55例で評価し,短期および長期予後良好の頻度はそれぞれ92%(56/61),71%(39/55)であった.生育限界は26週,400g,成育限界は27週,400gであり,また短期予後良好,長期予後良好が高率に期待できる在胎週数,出生体重はそれぞれ26週,550g,および27週,650gであった.これらの結果は胎児発育不全の妊娠管理において有用であるかもしれない.