日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
母体の高マグネシウム血症が新生児の症候性動脈管開存症に与える影響
宮内 雄太中嶋 敏紀隈本 大智湯浅 千春田中 幸一倉田 浩昭酒見 好弘山下 博德
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2023 年 59 巻 1 号 p. 51-56

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抄録

 早産児の動脈管開存症(patent ductus arteriosus,PDA)症候化と母体の高マグネシウム(Mg)血症の関連が報告されているが,いまだ一定の見解が得られていない.当院に入院した出生体重1,500g未満の児88例を症候性PDA群(21例)と非症候性PDA群(67例)の2群に分け,症候性PDAの関連要因を解析した.母体血清Mg濃度≧6.0mg/dL例は症候性PDA群7例(33%),非症候性PDA群6例(9%)であり(p=0.01),在胎週数,サーファクタント投与,インドメタシン予防投与で調整した多変量解析で,母体血清Mg濃度≧ 6.0mg/dLは症候性PDAと有意な関連を認めた(調整オッズ比 5.57[95%信頼区間 1.28‒24.15]).分娩前の母体に6.0mg/dL以上の高Mg血症がある際は,児のPDA症候化により注意が必要である.

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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