日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
オミクロン株流行期における新型コロナウイルスワクチンの妊婦に対する感染予防効果
鈴木 夏生古川 誠志秦 麻理高宮 万莉大野 珠美大橋 昌尚上原 ゆり子山田 陽子三島 みさ子
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2023 年 59 巻 2 号 p. 206-211

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抄録

 2022年1月から7月までに新型コロナ感染陽性と診断された妊婦53例と出産予定日をほぼ一致させた非感染妊婦106例を抽出し症例対照研究を行い,ワクチン接種(1回以上の接種)と最終接種からの期間(3カ月以内)の感染予防に対する有効率をオッズ比から算出した.検討集団でのワクチン接種の感染予防に対する非調整の有効率は60%,最終接種から3カ月以内の非調整の有効率は57%となった.これらを年齢と仕事の有無で調整すると,ワクチン接種の有効率は59%(95%信頼区間:-6.0%〜84%),最終接種から3カ月以内の有効率は54%(-6.0%〜80%)となり,感染予防に有効である傾向は認めた.

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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