日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
当院におけるmodified short-term tocolysisの有用性
長澤 友紀藁谷 深洋子志村 光揮田中 佑輝子森 泰輔
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 59 巻 3 号 p. 336-342

詳細
抄録

 切迫早産に対して我々が考案した管理法,“modified short-term tocolysis”の有用性を評価することを目的とし,2017年から2022年の切迫早産症例について後方視的研究を行った.患者をlong-term tocolysis(long)群とmodified short-term tocolysis(modified)群に分け,周産期・新生児転帰について比較した.long群は61例,modified群は35例であった.母体背景は初産率のみに差を認めた.妊娠34週未満の早産頻度は両群間に差はなく,母体副作用や新生児集中治療室入院率も同様であった.リトドリン塩酸塩静注日数および使用量は,modified群でそれぞれ有意に短縮,減少した.これらの結果は初産率の差を調整しても同様であった.Modified short-term tocolysisは有用であると考える.

著者関連情報
© 2023 日本周産期・新生児医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top