日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
呼吸障害により搬送された新生児における搬送依頼のタイミングと呼吸管理期間との関連 単施設後方視的コホート研究
大津 生利衣木下 正啓嶽間澤 昌史七種 護海野 光昭原田 英明前野 泰樹
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2023 年 59 巻 3 号 p. 330-335

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抄録

 【目的】呼吸障害による新生児搬送において症状出現から依頼までの時間と呼吸管理を要した期間との関連を明らかにする.【方法】2020年1月から2022年2月に呼吸障害を主訴に聖マリア病院新生児科へ搬送された症例について後方視的に検討した.人工呼吸管理を要した期間が3日未満の症例を短期呼吸管理群,3日以上の症例を長期呼吸管理群とした.【結果】全89例で短期呼吸管理群は67例,長期呼吸管理群は22例であった.症状出現から依頼までの時間は中央値が短期呼吸管理群の1時間59分に対し,長期呼吸管理群は9時間27分と有意に長かった(p=0.007).依頼までの時間が8時間以上と長い症例は29例あり,そのうち日勤帯での依頼は24例(82.8%)と大部分を占めていた.【結論】呼吸障害により長期呼吸管理を要した新生児は症状出現から搬送依頼までの時間が長い症例が多く,その要因として勤務帯との関連が示唆された.

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© 2023 日本周産期・新生児医学会
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