2024 年 60 巻 3 号 p. 409-414
周産期医療の進展により早産児の予後は改善している.しかし,流産期での破水では児の未熟性や肺低形成により,新生児死亡や合併症のリスクが高く人工妊娠中絶も現実には選択肢の一つになっている.今回,流産期に破水したが妊娠継続し,当院に入院した17症例の周産期予後を検討した.症例は単胎12例,二絨毛膜二羊膜双胎4例,一絨毛膜二羊膜双胎1例で,破水時期は妊娠13週6日から妊娠21週6日で,破水後平均38.3日(1日-136日)で分娩となった.流産した2例,前医で死産となった1例,人工妊娠中絶した1例,日齢0で死亡した1例を除き,12例(16児)は生存退院した.生後1~10年のフォローがされており,3児にWest症候群を認めているが,その他の児に明らかな異常は指摘されていない.流産期の破水例においても妊娠継続できた場合は,生児獲得が期待できるため,妊娠継続と積極的な新生児蘇生は選択肢になると考えられた.