日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
原著
治療的頸管縫縮術後の妊娠34週未満早産に関連する因子の検討
倉智 友香谷村 憲司栖田 園子益子 尚久内田 明子今福 仁美出口 雅士寺井 義人
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2025 年 61 巻 1 号 p. 100-106

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抄録

 [目的]治療的頸管縫縮術(tCC)後の妊娠34週未満流早産のリスク因子を明らかにする.

 [方法]2014~2022年に当院で頸管無力症(CI)と診断,もしくは,CIに至ることが予測される頸管長短縮例に対し,tCCを行い,分娩した単胎51妊娠を対象とし,妊娠34週未満流早産群13妊娠と34週以降分娩群38妊娠に分類し,流早産の既往歴,羊水スラッジ等を候補因子とし,ロジスティック回帰分析で,tCC後の34週未満流早産のリスク因子を決定した.

 [成績]多変量解析により,術前羊水スラッジ〔オッズ比(OR)12.8[95%信頼区間(CI)1.1-150.3], p < 0.05〕,術後血中白血球数最高値(x103/μL)[OR 1.3(95% CI 1.04-1.6), p < 0.05]がリスク因子として選択された.

 [結論]術前羊水スラッジ,術後血中白血球数高値を認めた場合,早産への準備や厳重な管理が必要である.

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