2025 年 61 巻 1 号 p. 100-106
[目的]治療的頸管縫縮術(tCC)後の妊娠34週未満流早産のリスク因子を明らかにする.
[方法]2014~2022年に当院で頸管無力症(CI)と診断,もしくは,CIに至ることが予測される頸管長短縮例に対し,tCCを行い,分娩した単胎51妊娠を対象とし,妊娠34週未満流早産群13妊娠と34週以降分娩群38妊娠に分類し,流早産の既往歴,羊水スラッジ等を候補因子とし,ロジスティック回帰分析で,tCC後の34週未満流早産のリスク因子を決定した.
[成績]多変量解析により,術前羊水スラッジ〔オッズ比(OR)12.8[95%信頼区間(CI)1.1-150.3], p < 0.05〕,術後血中白血球数最高値(x103/μL)[OR 1.3(95% CI 1.04-1.6), p < 0.05]がリスク因子として選択された.
[結論]術前羊水スラッジ,術後血中白血球数高値を認めた場合,早産への準備や厳重な管理が必要である.