抄録
大動脈縮窄症はAbbottによれば, 先天性心疾患のほぼ8%程度の頻度といわれ, 欧米においては多数の報告がみられているが, 本邦ではその報告例は比較的少ない.本症は乳児期早期に心不全を来す代表的先天性心疾患の一つとして知られており, 救急的早期手術を要することが多い.また種々の心内奇形を合併するものがみられ, このよようなものはとくに心不全のため早期死亡を来すことが多い.教室での手術中とくに問題となる乳児期本症につき, 我々の経験した7症例(うち手術4例)を中心として手術, 治療につき検討した結果を報告する.