日本小児外科学会雑誌
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直腸内括約筋反射のレ線学的検討
長崎 彰池田 恵一林田 裕
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1975 年 11 巻 1 号 p. 59-65

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抄録
直腸レントゲン検査の際, 直腸内でballoonを拡張させ, 内圧測定のときと同じ条件を作り, そのときの直腸, 肛門管の形態の変化を観察し次のような結果を得た1.正常児では直腸を加圧すると肛門管の上方約1/3が拡張する.この肛門管の拡張は前後方向に著明である.また肛門管の拡張と同時に直腸会陰曲は後方へ移動し, その角はなめらかとなることが多い.2. Hirschsprung病では直腸を加圧しても肛門管は拡張せず, 直腸会陰曲も変化しない.Hirschsprung病以外の慢性便秘病では肛門管が拡張する.3.鎖肛の術後で排便機能の良好な例は正常児と同様の所見を示すが, 排便機能不良の例では直腸を加圧すると肛門管全体が開いてバリウムがもれてしまう.本検査法により通常の線検査でnarrow segmentの明瞭でないHirschsprung病も診断可能なこと, 及び鎖肛の術後等の排便機能をより詳細に分析できることを述べるとともに, 直腸内括約筋反射に関して若干の考察を行った.
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© 1975 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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