日本小児外科学会雑誌
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Martin 手術の意義に関する一考察
鈴木 宏志山下 孟美西城 英郎坂倉 究天野 信一本泉 誠水谷 民衛
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1979 年 15 巻 5 号 p. 775-777

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抄録
Entire colonあるいはextensive aganglionosisの治療成績は, 経中心静脈高カロリー輸液とMartin手術の応用によって近年向上を示し, 1978年の集計では国内42施設でentire colon aganglionosis 62例中26例に根治手術が行われて23例が治癒し, extensive aganglionosisの32例中8例に根治手術が行われて3例が治癒している.われわれも回盲弁の口側10cmにおよぶaganglionosisを有する症例にMartin手術を行って治癒させることが出来たが, この症例についての術後の腸管運動機能の検索を行った結果, Martin手術の意義は消化吸収面積の拡大にあるのではなく, 腸管の通過時間をおくらせて, 残存小腸の消化吸収をたすけることにあると考えるにいたったので報告する.
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© 1979 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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