日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
18年目に骨盤内腫瘍として再発した良性仙尾部奇形腫の1例
林 〓欽正 義之山口 孝藤本 正博浜崎 宏明溝江 昭彦
著者情報
キーワード: 仙尾部奇形腫, 再発
ジャーナル フリー

1993 年 29 巻 7 号 p. 1334-1338

詳細
抄録

仙尾部奇形腫の再発防止のためには尾骨を含めた腫瘤の完全摘出が重要で,それを行っても再発症例は認められる. Altman II 型の仙尾部奇形腫摘出後18年目に,骨盤内腫瘍として再発し,臀部痛を訴え来院した18歳の女性例を経験した.骨盤腔全体を占める25X15X15cm 大の嚢胞状の腫瘤で,その形態は腸管に類似していた.内部に石灰化を含んだ7X3cm のポリープを認めた.成熟型仙尾部奇形腫の再発と診断された.摘出術後1年11ヵ月の現在,再発なく健在である.仙尾部奇形腫は良性でも長期間の経過観察が必要である.

著者関連情報
© 1993 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top