日本小児外科学会雑誌
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学童期に診断された腸回転異常症の1例
増本 幸二飯田 則利井上 敏郎中尾 太
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1994 年 30 巻 5 号 p. 963-967

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抄録

腸回転異常症(以下,本症と略す)は軸捻転を合併しイレウス症状を呈する疾患であり,学童期発症は比較的少ない.最近,われわれは上部消化管造影で,十二指腸第3部の完全閉塞を認めたが, C-loop の形成があるかのような像を呈し,再検にて C-loop の形成を認めず,十二指腸空腸曲が腹部の右側に存在し,本症と診断した8歳男児例を経験した.術中所見にて十二指腸第3部と後腹膜との癒着,瘢痕を認めたことより初回造影時には絞扼の程度の軽い軸捻転の合併があったと考えられた.本症診断の際,絞扼の程度が軽い軸捻転の合併例や軸捻転の on-off の状態の違いから,画像診断上 false negative の所見を示すことを考慮すべきであると考えられた.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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