日本小児外科学会雑誌
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不完全型精巣性女性化症候群を呈した男性仮性半陰陽の1学童例
松崎 茂牧野 駿一伊東 充宏内田 広夫野首 光弘松本 清一
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1995 年 31 巻 5 号 p. 809-813

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抄録

不完全型精巣性女性化症候群を呈した男性仮性半陰陽の1例を経験した.主訴は,学童期になり気付かれた陰核肥大と鼠径部腫瘤であった.染色体は46, XY であった.内分泌検査では testosterone(T)と FSH が高値であった. dihydrotestosterone(DHT) はやや低値であった. T:DHT 比は22であった. hCG 負荷での反応は T, DHT 共に良好であり,T:DHT 比は17となった.女児として養育する方針とし手術を施行した.鼠径部腫瘤は精巣であり.これに連なる精巣上体と輸巣管も存在した、精巣,精巣上体,輸巣管を切除した、腹腔内検索では Muller 管由来の臓器や卵巣は存在しなかった.陰核には subtunical total reduction clitoroplasty を施行した、摘出精巣の病理学的検索では,精子形成細胞は存在せず, Sertoli 細胞と Leydig 細胞の増加がみられた.術後はホルモン補充療法を行なっている.

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