1997 年 33 巻 7 号 p. 1114-1118
成人女性の尿道憩室 (本症) については,しばしば報告を見るが,新生児における報告例は極めて稀である.今回,筆者らの施設で新生児女児の本症を経験したので報告する.症例は生後9日齢である.妊娠分娩歴は在胎39週,出生時体重2,468g で低出生体重児であった.生後尿道腹中隔に小指頭大の腫瘤を認めた.排尿時膀胱尿道造形検査, MRI 検査にて尿道憩室と判明し,外科的に経膣前庭的憩室摘出術をした.ちなみに,本邦における最年少報告例は3歳11ヵ月であり,新生児における本症の報告は初めてである.